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2023年2月14日火曜日

ChatGPTを正しく理解する

GPT-3のときは、それほど話題にならかなったのに、ChatGPTになって急に騒がれ始めました。それに伴って、ChatGPTの過大評価、過小評価も目立つ。ChatGPTの等身大を正しく理解するほうがいい。

ChatGPTは、言語の並び方を、それこそ異常なほどの量を学習する。そのお陰で相転移を起こしたAIである。相転移といっても構える必要はない(が、実はここは誰も想像ができなかったポイントなので、後々たいへんなことを引き起こすかもしれない)。

となると、ChatGPTのできることは自然言語やプログラミング言語を自然な配列として並べることである。この特性を理解すれば、ChatGPTはとても役に立つAIであるし、その先も見えてくる。

ChatGPTは、文章が正しいか、間違っているかという価値判断のようなことはできない。それは習っていないことは出来ないという当たり前の現象となる。「ChatGPTは嘘をつく」という批判をしてはいけない。人でも同じような類はいる。

ChatGPTは、あまりにも流ちょうな言語を紡ぐので、どうしても擬人化されてるが、そこは冷静に「自然言語やプログラミング言語を自然な配列として並べる」AIと考えて使うのがまずは正しい。それだけでも今までなかったAIなので、工夫次第ではとんでもないことが出来るはず。

そしてもうひとつ。ChatGPTの悪口はやめましょう。悪口を言うあなたは、ChatGPTをライバルとして見ている。

AIをライバルとして見た瞬間、AIの進化は止まるし、人類の成長も止まる。




2021年5月12日水曜日

Alphafold2の意味すること ~複雑なものを複雑なまま理解する~

生物学には、階層ギャップという問題がある。

分子、細胞、組織、個体、集団など様々階層の間にギャップがある。

その階層ギャップの実態をAlphafold2というAIが炙り出してくれた。


Alphafold2はタンパク質のアミノ酸一次配列から立体構造を予測してくれるAIで、かなりの精度を誇り、とても役に立つ。

この「アミノ酸一次配列」と「立体構造」が階層ギャップである。

「アミノ酸一次配列」が分かっていても「立体構造」を知るのはとても困難。従来は立体構造を知るためには、タンパク質の結晶解析など、かなりの労力と機材が必要。「アミノ酸一次配列」は遺伝情報から容易に算出されるので大量に蓄積されており、ギャップに対するストレスは溜まる一方だった。

しかし、「アミノ酸一次配列」と「立体構造」の間には、特別な物理法則はない。分子の特性、挙動もすべて物理法則で記述できる。それでも立体構造は人間の手には入らない。パラメータがあまりにも膨大すぎて計算ができないのだ。理解できているのに理解できないという状況。それが、階層ギャップの実体である。

階層ギャップを埋めても、新しい法則は手に入らない。汎用性のある法則を欲する科学者からすると挑みがいのないテーマ。しかし、もし「アミノ酸一次配列」から「立体構造」が簡単に類推できれば、得られるものは膨大である。タンパク質科学は新しい黄金時代を迎えるに違いない。つまり、新しい法則は手に入らないけれど、弱かった階層に新しい息吹が吹き込まれて、その階層で新しい発見が行われることになる。

Alphafold2のようなAIは膨大な時間を要する計算を大づかみに捉えてうまく近似解をだす。AIの行っている処理を人は理解できない。が、その事実にあまり意味はない。うまく近似解をだしてくれさえすれば、あとは人間はそれを利用して新しい科学を発展させることができる。理解ができない人間が科学の進歩の足かせになってはいけない。

階層ギャップは、あらゆるところに存在する。人が乗り越えれない暗黒の谷はありとあらゆるテーマに存在する。今後、AIを中心としたデータサイエンスがこの階層ギャップを埋めてくれるだろう。

これまで科学は複雑な対象を簡単な数式に抽象化してきたが、複雑さが度を超えたとき、複雑なものを複雑なまま理解する時代がきたのである。