2019年2月4日月曜日

富士山の錯視(月の錯視考)

日吉から見た富士山
上の写真は慶応大学日吉キャンパスからの富士山です。山影から白頭がひょっこりと顔をだしています。

写真を撮ってみて「あれれ?」となりました。目に映っていた富士山はもっと巨大だったからです。視野と写真の画角はそれほど変わらないのに、実際に見える富士山と写真の富士山のサイズは印象がずいぶん違います。ここでは「富士山の錯視」と呼ぶことにしましょう。

水平線上にあるものが大きく見える錯視で有名なのは「月の錯視」です。
https://en.wikipedia.org/wiki/Moon_illusion
天頂にある月と水平線上にある月では、ずいぶんサイズが異なります。太陽でも同じことが体験できます。

「月の錯視」が起こる原因には諸説があります。が、「富士山の錯視」のように、水平線上の遠くにあるものであれば何でも大きく知覚される錯視とすれば、「月の錯視」も、その恩恵を受けているはずです。そうなると、これらの現象は「水平線上遠方にある物体が相対的に大きくみえる錯視」と汎化できます。

水平線上には比較できる対象物が近いところから遠いところまで連続してあるため、奥行きが推定しやすくなっています。そのため、水平方向へは遠くにあるもへ「ズーム」を効かせやすくなっているのかもしれません。

「富士山の錯視」は夕刻になっても変化しませんでした。夕日に浮かび上がる富士山はまるで影絵のような美しさでしたが、サイズ感はそのままだったのです。なかなかシブトイ錯視です。富士山は見える範囲が非常に広大です。ぜひお試しくださいませ。

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