1982年には、殿下の『1999』が発表されているし、
マイキーの『スリラー』も発表されている。
いまでは考えられないが、その頃のMTVは超保守的で、黒人音楽家の作品を放映していなかった。しかし、マイキーの『ビリー・ジーン』によって、その掟は破られる。
そんなMTVではあったがために『Ice Cream For Crow』の放映は拒否された。時に先進性は奇異と捉えられ、保守的な人を怯えさせる。下のビデオをご覧いただいて判断いただきたい。これは音楽だろうか、アートだろうか、それとも単なる奇異だろうか。
私は、キャプテンが追及した世界は消費される音楽ではなく、キャプテンにしか創れないアートであったと考える。キャプテンの曲は時代が流れても古びることはなく輝きを増す。
キャプテンは『Ice Cream For Crow』を最後に音楽を引退するが、『Ice Cream For Crow』のミュージックビデオは芸術家たちを唸らせ、ニューヨーク近代美術館の所蔵となった。
同じ土俵に立っているからといって、皆が必ずしも同じベクトルで仕事をしているわけではない。
追記:
では、殿下はどうなのかというと、
こちらは紛れもないミューズである。
音楽の化身であり、音楽の神である。
もし殿下をあまりご存知のないかたは、
『Purple Rain』を見たあとに、
『Montreux Jazz Festival 2013 - 3 Nights, 3 Shows』
をご覧いただきたい。
Jazzになろうが、どんな形式になろうが、
殿下は殿下であり、神は神である。
音楽の本質は、形式ではない。
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